今年のいちばんの話題は「AI」

国が毎年出す「通信の教科書」。
今年の主役はAIでした。

むずかしい言葉は使いません。総務省が2026年7月に出した「情報通信白書(がいよう)」を、AIにくわしくない人でも3分で分かるようにまとめました。数字と絵で、いまの日本を見てみましょう。

📄 出典:総務省 令和8年版 情報通信白書(概要) 🗓 調査:2026年1〜2月/日・米・独・中
はじめに

そもそも、これは何の資料?

「情報通信白書(はくしょ)」は、国(総務省)が毎年1回出す“通信とデジタルの今”をまとめた報告書です。スマホ・ネット・AIなどが、いま日本でどう使われているかが分かります。

だれが作った?

総務省(国の役所)。毎年夏に発表される、いわば「日本のデジタル通信簿」です。

今年の特集は?

ずばりAI。「AIの進展がもたらす多面的影響 〜人間とAIが健全に協働する社会に向けて〜」がテーマです。

なぜAI?

2025年に日本でAIの法律(AI法)ができ、国も会社もAI活用を本格的に進め始めたからです。

💡 ざっくり言うと: 「みんなAIを使い始めたよ。日本は出遅れていたけど、この1年で一気に追い上げたよ。ただし“ただ使う”だけでなく、上手に付き合っていこうね」——これが今年の白書の要点です。
やさしい前提知識

その前に…「AI」ってそもそも何?

白書に出てくる主役は「生成(せいせい)AI」です。かんたんに言うと——

🤖 生成AIとは: 「お願い(質問や指示)を言葉で伝えると、文章・画像・音声などを“新しく作って”返してくれるコンピューター」のこと。ChatGPTなどが代表例です。
例えるなら、「なんでも下書きしてくれる、めちゃくちゃ物知りな新入社員」。指示すれば、メールも要約も企画のたたき台も作ってくれます。

生成AIは、こんなものを作れます👇

文章メール・要約・企画
画像・動画イラスト・写真
音声・音楽読み上げ・BGM
プログラムアプリ・自動化

※ この白書では、この「生成AI」がどれくらい使われているかを、日本・アメリカ・ドイツ・中国の4か国で調べています。

① 個人のAI利用

日本人のAI利用が、この1年で“急増”した

「生成AIを使ったことがある人」の割合。2年前はたった9%だったのに——

9.1%
2023年度
26.7%
2024年度
58.8%
2025年度
(今回)
📈 2年で約6.5倍! 日本でも、いまや2人に1人以上が生成AIを使ったことがある時代になりました。

でも、世界と比べるとまだ“のびしろ”あり

4か国の「使ったことがある人」の割合。日本はまだ一番低いです。

🇯🇵 日本
0
🇺🇸 アメリカ
0
🇩🇪 ドイツ
0
🇨🇳 中国
0

単位:%(生成AIを1種類以上使ったことがある人の割合)

若い人ほど、使っている

日本の年代別。10代は9割超が経験ずみ。年齢が上がるほど下がります。

15〜19歳
0
20代
0
30代
0
40代
0
50代
0
60代
0

単位:%(日本/年代別の利用経験率)

使うのは「文章づくり」が中心

日本では文章の作成が主流。画像・音声などはまだこれから。

文章
0
画像・動画
0
プログラム
0
音声
0
音楽
0

単位:%(日本/使っているAIの種類)

おもしろい発見:AIを“どんな存在”だと思ってる?

「あなたにとって生成AIは?」という質問。ここで国民性が出ました。

🇺🇸🇩🇪🇨🇳 海外3か国

「友人・相談相手」としても
米・中は「友人」、独は「カウンセラー」が上位。
気持ちを共有する“相棒”と見る人が一定数いる。

出典:令和8年版情報通信白書(概要)P4〜6「個人におけるAI利用」

② 企業のAI利用

会社でも、AIが“当たり前”になってきた

個人だけでなく、企業のAI活用も急伸。日本の会社の状況を見てみましょう。

0%
の日本企業が「何らかの業務でAIを使っている」
(前年の55.2%から大きく上昇)
0%
「AIを積極的/範囲を決めて活用する方針」
(前年の49.7%から大きく上昇)
🏢 会社で一番使われている用途は? ダントツで「議事録づくり・メール作成の手伝い」(約7割)。しかも使った会社の72%が「効果あり」と実感。まずは“文書作業の時短”から、が世界共通のスタートです。

ただし、日本には“弱点”も見えた

「AIを使うための土台づくり」は、まだ他国に見おとり。(各国の企業の割合)

AIを学べる環境がある
🇯🇵 日本
0
🇺🇸 米国
0
🇨🇳 中国
0
社内データをAIに学ばせている
🇯🇵 日本
0
🇺🇸 米国
0
🇨🇳 中国
0

日本は「AIをただ使う」段階。海外は「会社の仕組みにAIを組み込む」段階へ進んでいる、という差です。
また、日本は「AI活用に組織として取り組んでいない」会社が約3割と、4か国で最多でした。

先を行く会社の実例(ヒアリング調査より)

🏭 中外製薬(大企業・製薬)

経営トップが「いつ淘汰されるか分からない」と危機感を持ち、全社でAI活用を宣言。人の確認を必ず挟むルール(ヒューマン・イン・ザ・ループ)でAIを安全に使う。

🏠 アイニコグループ(中小・不動産/介護)

各部署の「困りごと」を起点に1年間AI活用を検討。送迎ルート最適化や問合せ自動化などで、全10部署で年間2,247時間もの業務削減を達成。

🎓 専門家(国立情報学研究所 佐藤一郎教授)の一言: 「AIはコスト(費用)ではなく“資産”。使えば使うほど社内のノウハウがAIに溜まり、時間とともに価値が上がる。そう考えて導入した会社が、これから伸びる。」

出典:令和8年版情報通信白書(概要)P7〜10「企業等におけるAI利用の進展」

③ 数字で見る日本の通信・社会

通信は、日本経済の“屋台骨”になっている

白書の後半は、お金・市場・くらしの数字。押さえるべきポイントだけ抜き出しました。

0%
情報通信産業が日本のGDPに占める割合。
71.7兆円で全産業のなかでも最大級。
0
世界のAI市場の伸び(2025→2031年予測)。
2,442億ドル→約1兆ドルへ急拡大。
0割超
13〜69歳のネット利用率。
70代でも7割超がネットを使う時代。
🌍 世界のAI市場は爆発的に伸びる予測。 とくに「生成AI」の市場は、2025年の約669億ドルから2031年には約4,421億ドル(約6.6倍)へ。AIは一過性の流行ではなく、これから何年もかけて大きくなる分野、と国は見ています。

くらしの面:便利だけど「不安」も大きい

0
の人が、ネット利用に「不安を感じる」と回答。
不安の中身(複数回答)
個人情報の漏洩
0
ウイルス感染
0
詐欺・架空請求
0

日本人は「自分の情報が使われている」自覚が薄い

アプリ利用時に自分のデータを提供していると「認識している」人の割合。日本は最下位。

🇺🇸 米国
0
🇩🇪 ドイツ
0
🇨🇳 中国
0
🇯🇵 日本
0

便利さの裏で「何を渡しているか」を知ることも、これからは大切。

出典:令和8年版情報通信白書(概要)P12〜18「情報通信分野の現状と課題」

まとめ

この白書から、覚えて帰る3つのこと

むずかしい話をぜんぶ捨てて、大事なのはこの3つだけ。

1

AIはもう「特別な人のもの」じゃない

日本でも2人に1人が使い、会社の9割近くが業務に取り入れ始めた。“使うのが普通”の時代に入りました。

2

大事なのは「使う」より「仕組みに組み込む」

日本の弱点は、学ぶ環境や社内データの整備が遅れていること。個人の思いつきで終わらせず、会社の仕組みとして育てた所が伸びる。AIは“コスト”ではなく“資産”。

3

便利さと不安は、セット

個人情報の漏洩など不安を感じる人は7割。人が最後に確認する(ヒューマン・イン・ザ・ループ)など、安全に付き合う工夫が欠かせません。

白書のキーワードは
人間とAIが健全に協働するデジタル社会」。

AIに丸投げでも、拒絶でもない。人が主役で、AIを上手な相棒にする——それがこれからの働き方の答え、というのが国からのメッセージです。

🚀 私たち(ZENBU)にとっては: 白書が「これから大事」と言っている“業務にAIを組み込む・社内データを活かす・人が確認して安全に使う”は、私たちが日々やっている自動化そのもの。日本の会社の多くが今から始めることを、私たちはすでに走っています。この資料は、その価値をお客様に伝えるときの後ろ盾にもなります。